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第1回、第2回と、ネットモニターのモチベーションについて「なぜアンケートに回答しようとするのか」「なぜ回答を断念してしまうのか」について解説した。今回は、そのようなネットモニターからの回答に潜む「不良回答」の実態とその対応について、前回に引き続き株式会社インテージ 事業開発本部 ネットパネル企画開発部の笠原恵子氏と、カスタムリサーチ事業統括部 ネットリサーチ部の加藤宏氏に伺ったお話と同社の資料「インテージ インターネット調査 品質管理ポリシー」の内容から紹介する。
●「不良回答」の前に留意すべき「不正登録者」−その参加を防止する取り組み
回収した調査データが有効であるためには、単に回答されていればよいものではない。そのアンケートが調査対象としている属性と一致した対象者から回答が得られて、はじめてそれは有効な回答となる。
従って、アンケートを配布しても、その回答者が本来の調査対象ではない人であれば、どんなにきちんとした回答であっても、集まったデータは調査結果としての価値を持たないということになってしまう。そのリスクは、ネットモニターにアンケート回答を依頼するタイミング以前、その人がネットモニターとして登録する段階から発生することが最も考えられ、調査会社はネットモニターの登録時に不正登録がないように十分に対策を講じなければならない。
インテージの「品質管理ポリシー」によると、ネットモニターとして複数の人物になりすまして重複登録したり、身分や所在を偽って登録したりする「不正登録者」の参加を防止するために、ネットモニターが登録しようとする際にはいくつかのチェックを行っている。
まず、本人確認の手段としてネットモニターが登録した住所に郵便物を送付することで本人の所在確認を実施している。次に、ネット上に登録される情報に関してもメールアドレスの重複登録チェックや複数の登録情報のチェックを行うことにより、同一人物の重複登録がされないようにしている。この2重、3重の登録確認により、なりすましユーザーが生まれないよう工夫しているのだ。このように、ネットモニターが会員登録しようとする段階で様々なチェックを受けることにより、「不正登録者」がネットモニターの中に紛れ込まないよう未然に防止する対策をとっている。
● 「いい加減な回答」をどのように定義するべきか
一方で「不良回答」とは、調査対象として正しい回答者だが、回答の内容が適切ではなく、有効回答としてデータに加えることができない回答である。いわゆる「いい加減な回答」だ。その「不良回答」にはいくつかのパターンが存在する。
他の調査手法には無いネットリサーチならではの不良回答として、調査画面の構造を解析して、プログラムを生成し、自動的に選択肢をクリックするという悪質な手口があるという。同社が計測したモニターの「回答スピード」によると、そのような場合の1調査票あたりの回答時間は人間のクリック速度の限界以上になるのだそうだ。
こうした悪質なプログラムなどによる「早すぎる回答」のほかにも、明らかな不良回答として定義付けられるようないくつかの項目に関しては、的確に調査データから外すようにしているという。「明らかな回答矛盾が生じている」「自由回答に書かれている文章のつじつまが合わない」「質問とは関係ない意見やコメント」「記号や単語として成立しない文字列を入力している」といったものはリサーチャーによって不良回答と識別され、悪質なものはアンケート配信停止処理をしている。
実は、ネットリサーチに限らず「不良回答(いい加減な回答)」に関しては、回答の内容で推測はできるものの、回答者の心理状態まで伺うことが出来ないため、その回答が「真面目に回答したものか」「いい加減に回答したものか」を判断することは非常に難しいと加藤氏は語る。既存の調査手法よりも手軽に数多く行われる状況ではあるが、回答傾向の研究や試行錯誤はまだ続いているのだ。
● モニター登録属性の「性別・年齢」による不良回答者除去の取り組み
また、笠原氏によると、「本人属性との不一致」も不良回答としてみなして回答の内容が有効だったとしても調査結果のデータから外すようにしているという。インテージの調査は必ず調査ごとに「年齢」「性別」を聞くようにしているが、性別が違う場合や年齢が2歳以上違う場合には、この回答を不良回答として除外している。同氏によると、このような不良回答の原因は本人以外が回答している悪質な場合や、ネットモニターが自分の属性情報を正しく登録していない不注意などが考えられるという。
変わることのない事実項目による回答者の選別は必要であり、正確な消費者の声を調査データに反映させるためにも、このような「いい加減な回答」を有効回答にすることはできない。確実に消費者の本当の声を反映させた調査データを作ることがインテージの姿勢なのだ。
ちなみに、笠原氏によると、このようなネットモニターの登録情報と実際の不一致による不良回答を事前に防止するために、同社では定期的に属性に関する内容の質問を送付し、モニターの不注意による登録情報の入力ミスの修正や、変更が発生した場合の更新を促しているそうだ。
このように、インテージでは「世の中に貢献したい」という意欲の高い協力的なネットモニターを大切にしながら、調査の正確性に影響を与える不正登録者、不良回答を排除するための努力を続け、世の中の消費者が考えている本当の「生の声」を企業のマーケティング活動の現場に届けようとしている。
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